2016年に読んだ本の個人的な感想
※敬称略
もう4年も前のことだからあまり覚えてない
確か読んだ順
あんま調べずに、当時思ったことを書き連ねてます。
①西加奈子「サラバ」
全6章構成で4章ぐらいから加速度的に面白くなった気がする。
生まれてから30代中盤までの半生を描いた作品。西加奈子さんの自伝的な要素もあるらしい。主人公は男性だけど。
始まりの一文と終わりの一文がかっこいい。
主人公は幼少期をエジプトで過ごすのだが、初めてピラミッドを見た時に、ピラミッドを見上げ「でっけー」と言うシーンに憧れて、自分もエジプトに行ってピラミッド見て「でっけー」と言いたくなったことを覚えているし、今でもそうしたい。コロナでどうなるかわかんないけど。
正直、第3章ぐらいまでは関連性のあるかわからないエピソードが語られるのみで、なんならイケメンで才能もあって猟奇的な姉にはめちゃくちゃ困らされるけども順風満帆な人生なので、話がどう終結していくのかわからず面白いのか?と思いながら読んでいた。しかし、終盤からはその世界に引き込まれ、気付いたら夢中で貪り食うように読んでいた。そして今では面白さに関わらず人生を変えた本は何ですか?みたいな質問をされたら、自分はこの本ですと答える。面白い本はいっぱいあれど、ここまで心奪われたのは今のところサラバだけだった。たぶん今後もこんなに心奪われることはない気がする。
よく人生を変えた作品みたいなのが語られるけど、そんな作品がまずあるのかって話だし、出会えても1つぐらいだろうと思うけど、自分は出会えたので運がよかった。
ちなみに高3で出会ったライムスターも衝撃的だった。それ以前に聞いていたヒップホップは何だっけぐらいに本物のヒップホップに出会ってしまったという体験だった。
よくよく思い出すと中学時代はリップスライムやケツメイシを聞いており、高校時代は降神やニトロマイクロフォンアンダーグラウンドを聞いていた気がする。
降神は文学的過ぎて何歌ってるのか正直わからなかったし、ニトロは普通に何歌ってるのかわからなかった。そんな中で2011年8月ごろにいいともに出演していたライムスターを見て、当初は何だこのおっさん達と思っていたが、即興という名の用意されたフリースタイルラップを聞いて、かっこいいなこのおっさんらとなり、YouTubeで「ワンスアゲイン」「ラストヴァース」を聞いて衝撃を受けた。こんなにも一つのテーマを同じ韻で踏みながら深堀し、追及していく日本語ラップがあったのかと。当時、日本語ラップは駄洒落的でテーマをはぐらかしてんなと思ってた時に聞いたライムスターは尚更衝撃的だった。
本の感想なのに脱線しすぎてる。とりあえず今までの人生で衝撃を受けたのはライムスターとサラバ。2個もあんのか。
とにかくサラバ読了後の衝撃、開放感が凄かった。サラバ前後で考え方も変わったし、サラバ読む前までは何を読んできたのか思い出せなくなったし、以降サラバのような作品を求めて読書してもしばらく物足りなさを感じていた。
2011年に苗字が変わった。家名を継ぐために。そこから何かずっとモヤモヤしたものを抱えていたのだろう。この本を読んでそれが解消された。モヤモヤが解消されると思って読んでないからこそ衝撃を受けたのだろうし、そもそもモヤモヤを抱えていたことにもこの本を読んで気付いた。また、この本を読む以前までは「私は私」みたいなことを抽象的に考えすぎたのか全く意味が分からなかったし、自分探しの旅も馬鹿にしていた。しかし、初めてそれらを理解出来た気がする。それらを表現している箇所は何度も何度も読み直した。
またこの本を読んでなぜ人は宗教にハマるのかについても考えだした気がする。世界的には何かしらの宗教に入っている方が普通っぽいので、ハマるという表現が正しいかはわからないけども。とにかく、信じるとは何かということを考え出した。
「あなたが信じてるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」
章のタイトルにもなっているこの言葉は、主人公に強く響き、僕の心もつかんで離さなかった。
サラバについてはいろいろ書きたいことがあるけども、2018年にも読んだのでそこで書く、かも
②森見登美彦「夜行」
表紙と帯が気になったので買った本。
確か同窓会的な感じで集まって、それぞれが「夜行」という絵にまつわる体験を話していく話。それぞれのエピソードが怖かった。
もう一回読もう
③西加奈子「舞台」
ニューヨーク旅行に行って一文無しになる話。
サラバで西加奈子さんを知って、あらすじが面白そうだから読んでみた気がする。
自分とは何かを知る話だった。
④西加奈子「きりこについて」
これもあらすじが気になって読んだ本だった気がする。そして自分とは何か見たいな話しだった気がする。
あんまり覚えてない
⑤森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」
主人公は何もしない。寝てるうちに事件に巻き込まれてた。
作者の他の作品のキャラがたくさん出てるそうで、他の作品を一通り読んだらまた読もう
⑥吉田豪「聞き出す力」
いろんなインタビュー例をもとに聞き出す力を説明してた、気がする。
⑦大塚明夫「声優魂」
声優も大変だなと思った気がするし、その一線で活躍する人の考え方は他の事柄にも通じるなと思った気がしなくもない。
⑧西加奈子「窓の魚」
内容なにも覚えてないけど、今あらすじ読んだら面白そうだからもう一回読む
⑨オードリー若林正恭「社会人大学人見知り学部卒業見込み」
当初、ハードカバー版をレジに持って行った。すると店員のおばさんが「これいい本なんですよ!ちなみに文庫版も出てて、内容も追加されていて、より充実してますよ!しかもハードカバーより安いし」と勧められた。僕は「あ、じゃあ文庫版でお願いします」と言って、文庫版と取り換えてくれた。後にも先にも書店で店員と話すのはこの時だけだったけど、本の話をできるのは嬉しかったので、今度は誰か店員に話しかけておすすめでも聞いてみようかしら。コロナでどうなるかわからないけど。
内容もよかった気がする。売れてきたことによる葛藤が描かれていた。
⑩戸部田誠「1989年のテレビっ子」
自分の生まれる前のテレビについて、知っていること知らなかったことが整理され、どれもワクワクするような内容だった。
売れっ子はみんな努力をしている。
⑪一色信幸「配達されたい私たち」
あらすじに惹かれ、内容もよかった。
人生つらくなったときに読むといいかも。
また読もう。
⑫西加奈子「i」
西加奈子さんは自分とは何かについてをいろんな手法を用いて伝えてきているんだなと思った。それが響いたのが自分にとってはサラバだった。正直、サラバ以外の西加奈子さんの本では、「私は私」論があまりしっくりきてない。だからこそ、人それぞれにどれか必ずヒットする作品がある気がする。
おれの読み方が浅いのかもしれない。
このとき新宿で西加奈子さんの個展もやってたのでそれも見に行った。
絵も勉強しないとなと思った。
「i」はサイン入りの本が売ってたので、それを購入した。
⑬内村宏幸「ひねりだす力」
アイデアはひねり出すんだ。
⑭藤井健太郎「悪意とこだわりの演出術」
付録でついてたPUNPEEの曲が好き。
⑮フランツ・カフカ「変身」
主人公が理不尽な目に合って可哀そう。
⑯今村夏子「あひる」
不思議な話だった。
楽しい話だった。
⑱村田紗耶香「コンビニ人間」
「え、一緒に住むんかい!」と思った気がする。
⑲道尾秀介「サーモンキャッチャー」
小説だけでなく映画化計画もあると帯に書いてあったけど、そのあと一向に映画化の話が出てこない。
⑳いとうせいこう「想像ラジオ」
不思議な話だった。
本の感想なのに覚えてないのがいっぱいある。
しかし、あくまで当時の感想を思い出して書いてみるであり、今読み返したらそれは2020年に読んだ本とカウントされるので、そんな調べずにありのままに書いた。