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34.「年の瀬に」

年の瀬にインフルエンザになった。

しかも人生初めてのインフルエンザだった。

今まで元日に風邪をひく経験が何度かあったが、初めて年を越す前から風邪を引いた。

 

インフルとは、こんなにも頭が痛くなり、何にもやる気がなくなってしまうのか。

これまでの自分はインフルエンザに罹った人のことを羨ましく思っていた。それは会社を1週間近く休めるからだ。急に1週間も休めるだなんて!若干ずる休み感すらある。自分だったら何してようかと考えるときもあった。しかし、いざ罹ってみると何かを行う気力がすべてなくなり、お風呂に入る動作すら異常に疲れを感じる。すっかりインフルの脅威を思い知った。もう罹りたくない。というか罹るならせめて会社のある平日に罹りたかった。なぜ正月なのか。おかげで12月30日~1月2日はずっと家にいた。

 

そして困ったことに、この時期は単なる休日ではない。いつもより面白い特番が多いのだ。よって、テレビっ子である自分はひたすらいろんな番組を眺めていた。つまり、寝れないのである。普段の平日ならどうでもいいワイドショーばかりなので気軽に寝れるものの、特番のバラエティはできるだけリアルタイムで目撃したいという欲があって、だからずっと頭痛いなーと思いながらテレビの前に張り付いていた。それに寝ようとしても鼻詰まりがひどく、あまり気持ちよく寝れない。寝れないとどうなるか。そう、テレビを見るのである。結果、朝から晩までずっとテレビを見ていた。インフルなのに。寝る時間を削ってまでして。ほんと最悪のタイミングでインフルになった。

 

他にも初めての経験がある。熱が39度近くになった。38.9度。記憶の中でこんなに高熱になったことはない。39度は越えなかった。予防接種のおかげか。どこかで予防接種は2か月超えたら効能が無くなるという噂を聞き、ちょうど10月上旬に予防接種したので若干心配したが、予防接種を受けずにインフルエンザに罹った人の話を聞くと、40度に近い高熱を発したことが多い印象なので、やはり予防接種をしておいてよかった。

 

予防接種しておいてよかったとは思うが、やはりかかるときはかかるのだと今回の件で分かった。では、どこから貰ってきたのか。

そもそも12月は身体の調子が悪かった。会社でも周囲の人がよく咳き込んでおり、うつされたら嫌だなと思っていた12月上旬ごろ、咳き込むことが多くなり、次第にのどの痛みも出てきた。なので近くの診療所へと行った。

確か去年もこの時期に行っており、その時、若い医者にこう言われた

「毎年、この時期に同じような症状の風邪をひいてますね」

なんだか恥ずかしかった。

当然今までのカルテが電子化されており、実際に見てみると10~12月に確かにここの診療所へと来ていた。処方される薬も大体同じ。なので、その時も同じような薬を処方された。今回も同じようなことが起きるのかと思い、すこし行くのをためらったが、いざ行ってみると今回はベテランで且つ、ここの診療所の所長である医者だった。

その所長は信頼に足りえる人だ。行くたびに毎回しっかりと診療してくれる。そして、薬以外の風邪の予防方法などを教えてくれる。そんな医者に今回初めて言われたことがある。「インフルエンザの検査してみましょうか」

毎回、診察前に軽いアンケートに答えるのだが、そこには、インフルエンザの検査を希望しますか?という項目もある。自分はこれまでずっと希望しないにしていた。それは決して高熱が出たわけではないからだ。インフルエンザといえば高熱であり、自分の症状はそれではないから、インフルではないだろうと思って今まで検査を受けてこなかった。それにこれまで一回もインフルに罹ったことがないのだからまさか自分が罹るとはとも思っていた。しかし今回はインフルエンザが流行しだした時期ともあって、検査を勧められた。

今まで検査をしなかった理由として、もう一つ理由がある。なんとなく怖いのだ。

どういう検査するかわからなかったし、また、自分はインフルなんだと認識した瞬間からより症状がひどくなりそうだからだ。

インフルエンザの検査は綿棒のようなものを鼻の奥へと突っ込み、10回ほどこすることで粘膜を採取し、専用の液体に漬け反応を見ることで行う。液体に漬け数分経つと、線が浮き出てくる。その線が1本だと陰性、2本だと陽性だ。このようなことをベテランの医師はちゃんと説明してくれる。そしてこの時は1本だった。錠剤をいくつか貰い、診察は終わった。この薬をちゃんと飲めば治りますと言われた。そしてちゃんと用法・使用量を守って飲んだ。回復した。が、正直咳だけ少し続いていた。でもそれはいつか治るだろうと思ってそのままにしておいた。咳は2週間ほど続いた。そして明くる日、急激に強まった。のどの痛みも再来した。なのでもう一度診察所へと向かった。

 

12月上旬と同じ受付の人に、12月上旬と同じように診察券を渡し、そしてアンケート用紙を貰った。今回はインフルの検査を受けることにした。前よりも風邪の症状がひどかったし、それに検査の内容を知っているからだ。やはり一度体験しているともうなにも怖いものはない。

アンケートを提出すれば、あとはもう診察の順番を待つだけだった。しかし、なぜか受付の人から呼ばれ、こんなことを言われた。

また、風邪をひいたということですか?」

またってなんだ、またって!頻繁に風邪をひく軟弱野郎で悪かったな!

12月30日午前中のみの診断で、人が結構いたため、事前に症状を押さえておきたかったのだろうが、「また」という言葉にひどく精神を痛めつけられた。ただでさえ頭が痛いのに!

 

 

名前を呼ばれたので、いざ診察と思ったが、廊下でもう一度待たされた。そして看護師によりアンケートをもとにした症状の確認と、インフルの検査を本当に実施するか確認された。

この時、熱は36.2分であり、インフルは普通高熱のため、たとえもしインフルであっても陽性反応が出ないのではという懸念があるらしい。

ここで自分は上旬の時のことを思い出した。あの時も平熱だった。しかし、医者の勧めでインフル検査を受けたのだ。なのになぜ今回は本当に検査するか確認されるのか。検査自体も比較的容易にできるはずだ。もしかして検査キットが少ないのか?というかこの時はあまり思考を働かせたくなかった。なぜなら頭が痛いから。それにどうやらインフルのウイルスが多ければ、熱がなくとも陽性反応が出るらしい。しかし、あまりにも陽性反応出るかわからないですと言われたので、「じゃあ、検査しない方がいいですか?」と聞いてみたところ、「検査した方がいいと思います」と言われた。

なんだったんだこのやり取りは!

アンケートに検査するって書いてんだから四の五の言わずに検査してくれよ!

こっちは頭が痛いんだ!

 

とりあえず、インフルの検査結果待ちとなった。

そしてついに医者に呼ばれた。こないだのベテラン医師ではなかった。その医者に開口一番こう言われた。

「残念でした。インフルエンザです。」

残念でしたってなんだ!

 

初め、診察所に来たときは、なぜもう一度来たのかと疎まれ、インフルの検査も実施するかなぜか何度も確認され、いざインフルだとわかったら残念でしたとクイズ番組で不正解だった時のような反応をされ、インフルの薬以外に変な思い出をいっぱい持ち帰る羽目となった。

 

とりあえず、健康でありたい。