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37.「2017年に読んだ本の感想」

2017年に読んだ本の感想

※敬称略

 

テッド・チャンあなたの人生の物語

2017年夏に公開された映画「メッセージ」の原作。とても面白いと評判だったから読んだ。突如現れた、ただ浮遊するだけのUFOに接触を試みる話と、主人公の家族との日々の生活が交互に描かれてる。テーマにもなっている光の屈折に関する理論の説明が何度読んでも理解できずに苦しんだ。終盤、話の構造に気付いてそれが確定したときはゾクゾクした。詳細なネタバレは避けるが、当時の感想を振り返ってみると「宇宙人たちがなぜ会話をするのか。それは彼らにとって会話=行動であり、相手や自分自身の指示するものとして使用している。これから起こす行動の指示や説明を行っているのだ。ある意味言葉にすることは行動を強制的にし、また行動への積極性も生まれてくるのだろう。夢を言葉にするといいみたいなことをよく聞くが、言葉も行動の一種であり、つまり夢への行動の最初の一歩を踏んでいるのだ」みたいなことを書いてあった。後半は良いことを書いてある。ただこの感想からどういう宇宙人なのか想像できない、謎。というか話が主に描いているのは残酷な結末が待っていても、過程を楽しもうみたいな話だった。

 

東山彰良「流」

この頃はとにかく本を読み漁りたい時期だった。そのためまず直木賞受賞作を眺めていたところ、この本の審査員の絶賛ぷりが凄まじかったので読んだ。めちゃくちゃ面白かった。異様に面白かったことだけは覚えている。導入が好きだった。祖父が殺害され、その犯人捜しから話が始まる。といってもすぐに見つかるわけでもなく、犯人捜しの間に徴兵や恋愛、ヤクザとの抗争などの人生が描かれ、やがてその体験全てが祖父を殺害した人物との衝突に繋がっていく。もう一回読もう。

 

恩田陸蜜蜂と遠雷

 この本もめちゃくちゃ面白かった。分厚いし、2段構造で分量やばいなと思ったけども、あっという間に読み終わった。ピアノコンクールを描いた話で3人の天才と1人の秀才が主人公。天才同士でひたすら褒め合ってる。演奏シーンが8回ぐらい描かれているが、すべて違う筆致であり、またどれもがどんな演奏しているのか、観客がどのようなことを想起しているのかが分かって、読んだ後にはめちゃくちゃ知ったかぶれる。クラシックは全くわからないのに分かった気になれた。作者すごい。

 

ユウキロック「芸人迷子」

 芸人として迷っていたことが書かれてあった気がする。

 

外山滋比古「思考の整理学」

 思考が整理された。

 

筒井康隆「旅のラゴス

 ラゴスが旅をしていたぐらいしか思い出せない。

 

⑦こだま「夫のちんぽが入らない」

 誰にも相談できない悩みを抱え持つことはとてつもなく苦しく、人を追い詰めていくのだろう。辛いことは連鎖し、こちらも辛かった。

 

森見登美彦有頂天家族

 2015年以前に読んでいて、第2章が発売されるためもう一度読んだ。たぬきは可愛い。

 

遠藤周作「沈黙」

イエズス会の高名な司祭が日本で拷問にあい、棄教したとの報告を受け、真相を確かめに行くその司祭のかつての弟子2人の話。毎日祈りを捧げているのにも関わらず、私が辛い目に遭った時になぜ主は何もせず沈黙しているのか。に対して、イエスは沈黙ではなく一緒に苦しんでいたと描いた作品。もし拷問の辛みに耐えられなければ踏み絵を踏んで棄教してよい。踏み絵を踏むことも心痛だろうがそれも私は一緒に苦しむ。イエスはユダの裏切りすらなすべきことをなせと言った結果であり、赦してるっぽい。

そういえばワンピースの白ひげもこれに近いかも。白ひげ傘下の海賊スクアードが海軍の赤犬に騙され、結果白ひげを刺す。しかし、「バカな息子を、それでも愛そう」と言って許した。お前がそうしたいと思ったならそうしろ精神。

どっかの県知事のコロナ禍の最中で「自身の給与を1円」にするという発言もこれに近いかもしれない。コロナによって生活難となった人と同じ苦しみを味わうということだろう。有権者の中には、この行動に感銘を受ける人もいるかもしれない。ただし、知事は神ではない。ゆえに生活難となった人と同じ苦しみを味わってる場合ではなく、生活難となってる人を早く助けるべき。お前が一緒に苦しみ味わったところで。削減した給与分をコロナ関連の予算に充てたり、給付金などにするってことまで発表すればよかった。どこかにそれらが明示されてるかもしれないけど、給与削減したした発表しないのは悪手。だからなんだって話。

 

村上龍5分後の世界

突然、現実時間から5分だけずれた世界へ飛んだ。そこでは戦争が続いており、主人公は元の世界に戻ろうとするもその戦争に巻き込まれていく。最後の主人公の決断が印象的。

 

森見登美彦有頂天家族 2代目の帰朝」

 タヌキが可愛い。ひたすら誰も死なないでほしいと思いながら読んでた。

この年は京都と地元の2か所で野生のタヌキを見た。

 

ピース又吉直樹「火花」

最後の先輩の取った行動が気持ち悪かった。映像ではどうなっているのか。 

 

テッド・チャンあなたの人生の物語

もう一回読んだ。構造に気付く瞬間がどこだったかわかりたくて。だが、それが分からなかった。読んでてゾクゾクしたのは1回目のみで、貴重な体験だった。理論について、今度はすんなりと理解できた。 

 

テッド・チャン「バビロンの塔」

なんか塔に上る話。

 

テッド・チャン「理解」

 何も覚えてない。

 

テッド・チャン「0で割る」

内容は忘却の彼方。 

 

村上春樹騎士団長殺し

例えの中で例えだして困惑した。

独特な筆致はなんかの複線かと思ったら違った。

たくさん読まないとこの人の良さはわからないのだろう、とりあえずおれは向いてないかもと思った。公演の手伝いに行ったときに4,5年下の子が村上春樹の良さを語っていて、聞いてみると、汚い面を汚いままに書いていることが美しいみたいなことを言ってた。 

 

⑱燃え殻「僕たちはみんな大人になれなかった」

大人になれなかったそう。 

 

中村文則「教団X」

とある教団に入り浸るようになった知人を探しにいく話。それと交互にして別団体の教祖的な人の説法みたいなのが描かれる。この説法を今でもたまに読み返している。仏教は仏の悟りを弟子たちが教義としてまとめたものであり、仏自体はああしろこうしろとは言ってないだとか、仏は「我思うゆえに我あり」をはるか昔に否定しているだとか、仏は原子の存在に気付いているだとか。

 

⑳オードリー若林正恭「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」

父親との話が印象的だった。

キューバに行ってみたい。 

 

㉑今村夏子「星の子」

怪しい水のおかげで助かって、そのまま怪しい団体へと入信する両親。若い娘はそれをどうすることもできず、ままならない日常を過ごす。みたいな話だった。あり得そうで怖かった。今村夏子さんの話はどれもあり得そうで怖いみたいなのが多い印象。それを信じており、それで幸せならもういいのかもしれない。職場の前の前の課長が水素水を重宝してて、それもその人がそれを好きならもういいのかも。

 

㉒村田紗耶香「殺人出産」

10人産んだら1人殺していいという話。内容は忘れてしまったが、かなり怖かった気がする。 

 

㉓村田紗耶香「トリプル」

3人で付き合うみたいな話だった。三角関係というわけではない。 いろんな行為も3人で行う。だからカップルならぬトリプル。

 

㉔村田紗耶香「清潔な結婚」

 あんまし覚えてない。

 

㉕村田紗耶香「余命」

あんまし覚えてない。が、村田紗耶香さんの話はどれも生々しい感じがする。

 

伊藤明彦「未来からの遺言 ある被爆者体験の伝記」

とある被爆者の体験をよくよく紐解いていくと、どうやらいろんな人の体験談を交えて構築しているらしい。しかし、あまりにも強烈な体験を経るとそのように記憶が混同してしまうんだなと思った。ライムスター「ガラパゴス」の宇多丸のヴァースに、 「なんせはるか太古からの輸入文化大国 ま、どこの国もそんなもんで大部分がおあいこな ごちゃ混ぜな遺伝子併せ持つ異形なキメラ」というのがあり、文化はキメラなんだというのがこの本読んで合点がいった。

 

垣根涼介「室町無頼」

応仁の乱の話。 彷徨っていた主人公が拾われて、修行し、戦争に参加する話。面白かった。修行シーンが痛そう。

 

ロバート・A・ハインライン夏への扉

夏になったので読んだ。昔読んだけど内容忘れたのでそれもあって読み返した。歴史の裏ではこういうことが起きていた系の話で好き。 

 

スティーブン・キングダークタワーⅠ ガンスリンガー

文字の多さが半端ない。かつ緻密すぎる。油断しているとすぐ話を見失う。 

 

㉚丸山ゴンザレス「世界の混沌を歩く ダークツーリスト」

 クレイジージャーニーで特集されていたニューヨークのセントラルパークに住む人の話とかがまとめられている。面白かった。クレイジ-ジャーニーがああいう形で終わったのは残念。

 

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子様」

全然内容覚えてない。

 

ジェイムズ・ティプトリー・Jr.「たったひとつの冴えたやり方」

意外と悲しい話だった気がする。 

 

ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」

携帯電話もまだない時代の話。見事な構成だったが、ことあるごとに「あ、携帯ないのか」と思ってしまった。 

 

森見登美彦ペンギン・ハイウェイ

読むのにすごい苦労した気がする。 不思議な存在はいっぱいあるのだ。

 

筒井康隆残像に口紅を

50音の日本語が話が進むにつれ、1音ずつ消えていく。当然物語も消えた文字は使われて行かないため、最後の最後にはたった1音で終わる。最後までちゃんと物語として読めたのが凄い。 

 

平野啓一郎「マチネの終わりに」

 中盤のとある人物の自己中心的行動が酷すぎるだろ!と思ったあまり、読書を一時中断していた。意を決して読み進めると、やはり大変なことが起こり、ほんとにいろいろあったが、最後には良かったねという感想で終わった。

 

読書の感想なのに内容覚えてないのは申し訳ない。