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49.「夢か現実か」

夢か現実か、次第に分からなくなる作品がある。

作品とは想像の賜物ではあるけれど、その発端には色々とあって、まさしく1アイデアを思いついてそこから膨らませたものもあれば、現実にIFを加えて編み出されたり、実体験をもとに作られたものもあるだろう。

夢か現実か混同していく作品の中にも実体験から作られたものがあるはず。

ある日散髪に行ったとき、店内のラジオから長らく活動休止していたアーティストの曲が流れてた。そのアーティストに関して、熱心というわけではないけれど、いっぱしのファンではあった。しかし、そこで流れていたのは知らない曲だった。どうやら活動再開するらしいぞという噂を聞いていたため、もしかしてこれが活動再開1発目の曲かとワクワクしたが、それにしては若干ダサいなと思った。悲しい気持ちになった。

後日、ほんとに活動再開するのか調べてみると何も出てこなかった。新曲も発表していない。では、あの時かかっていた曲はなんなのか。あの日あの時あの瞬間に聞いたあの曲はあのアーティストの歌声だったはず。しかし、日が経つことに段々と自信が無くなり、次第に、もしかして夢だったのかもしれないと思い始めた。散髪するハサミのリズミカルさに心地よくなって見た夢なのかもしれない。

そういえば活動休止に入る前までの数年間に発表された曲はあまり聞いてなかったことを思い出した。もしかしたらここにあるかもしれない。そう思って聞いてみると3曲目でヒットした。あの時聞いたダサい曲だった。現実世界で起こったことだった。すでにこのアーティストから心は離れていたんだなと思った。

 

作品で描かれた出来事は果たして夢なのか現実なのかモヤモヤすることはあるけれど、この散髪での出来事はモヤモヤした。

夢であってほしかった。

夢か現実か混同したが現実と分かってモヤモヤする。

宝くじに当たったが夢だったり、告白成功したかと思ったら夢だったりと言った描写はこういった実体験から作られているのかも。例が悪いから説得力が薄い。

夢であってほしいといえばこんなのもあった。知らないおっさんが自宅にいる夢。

その日は大雨で、帰宅後すぐに傘を玄関に広げて干していた。翌日までに傘が乾いているといいなと思いながら就寝した。すると夢でも帰宅するところから始まっていた。玄関から廊下を抜けてリビングへ向かうと、確か黄緑色のTシャツに、カーボン色のチノパンを履いたおっさんがBBQか掃除をしていた気がする。「あなたは誰ですか」と尋ねると、おどおどとしていたのでそのまま家から追い出した。家にこんな人がいるのはおかしいという感覚はあった。そしてリビングの窓を開いてだだっ広いテラスへと足を踏み出し、外に出た。そこで目が起きた。

最初に確認したのは、テラスの狭さだった。あんなに広くないよなと改めて確認した。玄関へと向かい傘を見ると見事乾いていた。結構濡れていたのにもかかわらず、きれいさっぱりと乾いていたので思わず笑みがこぼれた。傘を閉じ、洗顔して歯を磨き、朝食を済ませ、身支度をした。今日は帰宅が遅くなりそうだからと戸締りを終えて玄関へと向かう。靴を履き、ドアを開ける。その瞬間、不意に思う。鍵を開ける動作をしたかと。開けてないような気がする。靴を履いてそのまま扉を開けたような記憶が頭を占める。全身から血の気が引いていくのを感じる。滝のように雑念が流れていき、鍵が開いていたかもしれないこと、及びそれによって生じる可能性のみを考えることに集中しだす。ひとまず靴を脱いで、リビングへと向かった。夢か現実か確認するために