45.「2019年に読んだ本」
2019年に読んだ本
①川上弘美「大きな鳥にさらわれないよう」
カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」をさらにファンタジーにさせた感じで、主人公の行く末を見つつ、この世界はどういった感じなのだろうと想像する楽しさがあった。気がする。
②オードリー若林正恭「ナナメに夕暮れ」
ひねくれからの脱却を果たしていた。
③長嶋有「私に付け足されるもの」
短編集だった。よかった。気がする。
中盤が残されてないからこそ想像力がより膨らまされていろんな作品が作られているんだろう。
⑤スティーブン・キング「11/22/63」
長かった分印象に残ってる。1963年11月22日はケネディ大統領が殺された日。
時は現代。主人公の住む町のバーにある日突然、1958年へと通ずる穴が現れた。そのバーの主人からケネディ暗殺を阻止してくれと頼まれた主人公は本当に過去を変えられるのかをまず実験してみることに。そのことを描いた上巻が面白かった。ケネディ暗殺まで5年もあるため当然何かしら生活の手段を考える必要があって、非常勤講師として生徒との交流や同僚との恋愛を描いた中巻も面白かった。そして下巻は着実に迫ってくるケネディの暗殺に対し、一体だれが犯人なのかを突き止めていくサスペンスでそれも面白かった。タイムトラベル自体にも仕掛けがあって、主人公が最終的に大きな決断を迫られるし、最後のセリフが心にきた。
スティーブン・キングは描写が細かすぎるし登場人物も多くて人間関係複雑だから大変なイメージだけど、割と読みやすかった。ペニーワイズが出てくるITは読むの大変。ずっと怖いし。ペニーワイズが人を殺すまでが長く、じっとりとしていて早く殺してくれよ!となるがたまに失敗するから死なないんかい!とかなる。
全然覚えてないけど上手いこと絡んでいくな~と思った気がしなくもない。でも何か不満に覚えた描写もあった気がしなくもない。
⑦倉井眉介「怪物の木こり」
終盤の時系列トリックは良かった。
⑧瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」
これは自分の話だと思ったが、違った。
主人公が親を転々としていく話。4組くらい?どの親も優しかった。
エピローグのある親から描かれた話が一番好きだった。
⑨白石一文「ほかならぬ人へ」
香水のせい。
⑩湊かなえ「花の鎖」
親子三代。
⑪金子薫「壺中に天あり獣あり」
巨大な迷路から出れなくなって、そこでホテル経営を始める話。
⑫ナイツ塙宣之「言い訳」
面白かった。
⑬大島真寿美「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」
表紙がいいなと思って買ったら後日直木賞取ってた。
徐々に歌舞伎に人気を取られ始めていた時代に生きた人形浄瑠璃の作者の話。途中で語られる創作論がよかった。目の前にある風景を一つ一つ文字にしていくんだ的な。
⑭恩田陸「祝祭と予感」
「蜜蜂と遠雷」の後日談や前日譚など。
⑮ブレンディみかこ「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」
よかった。が、中学生にしては出来すぎると思ってしまった。しかし、勉強しよう。
⑯塩田武士「罪の声」
グリコ森永事件を題材にした小説。あまりその事件知らないけども。
事件から数十年経っており、100~150Pまで何も糸口が掴めず正直いつ面白くなるんだろうなとは思った。でもようやく犯人に少しずつ近づいてきたころからは引き込まれ、クライマックスは辛すぎるぜの嵐だった。映画もよかった。
※敬称略
映画はまだ見たシーンが記憶に残るけど、小説は文字しかなく、読んだときに想像した光景もなんとなく思い出すけど映画よりはっきりした映像ではなくモヤモヤしたものばかりなので、本の感想は読んだ直後に言語化しないと意味がないなとこれを書いて思った。忘れていたとしても血肉にはなってることを願いつつ、さっさと感想書いた方がいい。