7.「警察の素質」
焼け焦げた201号室からは大量の本、そして導火線のついたダイナマイトが発見された。
「なぜニートがダイナマイトを?」
「そこそこ立派なこの部屋に住めてる理由から考えることだな」
スーツ姿に手袋をした男性二人が部屋を探索している。
「お前現場は初めてだよな。捜査に必要な素質、わかるか?」
「あきらめないこと?」
「それもあるがもっと大事なことがある。全てを疑うことだ」
「全てを疑う……」
少し年老いた男性が焦げたカーテンをどかしながら、
「それにしても学校で一番成績が悪かったお前も今や刑事課か。感慨深いな」
「教官のおかげです。学校時代から大変お世話になりました」
「今夜は飲みに行くか」
「ええ、是非!」
「よし、じゃあさっさと証拠になりえるもの見つけるぞ。ところで、お前今何やってんだ?」
「ダイナマイトに火つけてます」
「なんでだよ!」
「本物かどうか確かめたくて」
「ほんとに馬鹿」
その日、2度目の爆発が起きた。